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為替相場分析オタクのブログ

私が今年、ユーロ円からドル円に移行した理由

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昨年6月のイギリス国民投票によるEU離脱、ブレグジットは私たちトレーダーにとって非常に印象深く未だ鮮明だと思います。くだんの責任を取ってキャメロン首相退陣、今年テリーザ・メイ首相の元、イギリスのEU離脱は本格的に動き出すことになります。通貨としてのユーロを使用していなかったイギリスなので、EU離脱に他国ほどの不便はなかろうと思われがちですが、世界の金融と情報の中心を担う大国ですから、その経済的影響が甚大であることは想像に易いでしょう。

更に、12月のイタリア国民投票でのレンツィ首相敗北。彼はもともと選挙で選出されていなかったという背景から、今回の憲法改正の是非を問う国民選挙は、ままレンツィ氏の信任を国民に問うている様相となっていました。政権交代後、2017年夏をめどにEU離脱の国民投票が濃厚となっています。

「EUは仲良しごっこの壮大な実験」と言ったのはフランス大統領候補の極右政党国民戦線党首マリーヌ・ル・ペン女史。彼女は「EUはすでに死んでいる、まだ知られていないだけ」とも公式に発言しています。彼女がフランス大統領に就任した暁には、フランスのEU離脱も目前となるでしょう。

「この現状を目の当たりにして、ユーロとのクロス通貨ペアで取引する気になれない」というのが私のユーロ円離れの理由です。

トレーダー仲間にこれらの話をすると、「そうは言っても、前もっていろいろとわかるでしょう?」と、ふんわりと応対されることが多いのは、私が説明下手だからかもしれません。もう一つ理由を付け加えます。

皆、忘れてはいまいか? 2015年1月のスイスショックを。

スイス国立銀行はスイスフラン高を進ませないために、対ユーロ防衛ライン(1ユーロ=1.2000フラン)を設けていましたが、事前予告なしに(というか、数日前まで撤廃はしないと公言していたにもかかわらず)急撤廃したことによって、短時間でユーロ/スイスフランが大暴落し、10~100lotほどの取引をしていたトレーダーは軒並み数千万~数億の損害を被り、阿鼻叫喚の事態を招いたあのショック。これが目に見えるEU崩壊の序章であり、「国が嘘をつく」「危険が及ぶ前にアラートを発してくれない」ということを、まざまざと思い知らされた出来事でした。

さあ、これがユーロで起きたらどうなるのかな?

為替や株、先物などの取引をしていれば、皆等しくリスクはありますが、これだけあからさまにEU崩壊が目に見えている今、なんらかの対応策を取ること(私はドル円に移行)は、危機管理の基本中の基本であると私は思います。